アナウンスは途切れ、4人はしばらく立ち尽くしていた。
「どうすればいい…。」
拓也の顔には汗。相当焦っているようだ。
すると岬が、
「ごめん…自分があんなことしなければ。」
「…謝るな。騙したあいつが悪いんだ。」
弘貴は岬をなだめた。
「でも、ここから出られるのは、生存者が1名になった時…。」
そうだ、圭吾の言っていることが、1番引っ掛かってた事。
「1名って…じゃ、他の3人は?」
拓也は、薄々答えがわかっていたが、あえて聞いた。
「これで…殺す…。」
圭吾は、リビングの棚の上に無造作に置かれているオノを指差した。
「ちょ…ちょっと待って…。とりあえず7日間、考えよう。食べ物には…困らないんだし。」
岬の提案に、まず拓也が賛成した。
「そうだな。俺たち、友達じゃんか。」
友達。4人は裏切りなしで、7日間策を考えることにした。
でも、裏切りは水面下で既に始まっていた。
…夕食の時間。
「うぉっ、食べ物じゃん。」
と弘貴。
どこからか、食料が配給されていた。
「レトルトカレーか。」
食べ盛りの高校生たちに、レトルトカレー。1人1個は少し物足りない。
「ま、食べますか。」
拓也はみんなのレトルトカレーを温め始めた。
その間、3人はというと。
岬は弘貴と一緒に、高校話で盛り上がっており、圭吾は1人、音楽を聞いていた。
「圭吾も、一緒に話そう。」
岬が言っても、圭吾は、
「俺はいいや。」
と遠慮した。
岬もそれ以上言うことはせず、あっという間に時間がすぎた。