「いただきます。」
まず、4人は部屋番号を決めることにした。
じゃんけんにより、弘貴1番、圭吾2番、拓也3番、岬4番となった。
「個室にさっき入ってみたけど、鍵ついてなかった…。」
弘貴の証言…。
一瞬背筋が凍った他の人。
「で…でも…友達じゃん。」
拓也の励ましも、どこかぎこちなくなってきた。
「何言ってんだよ。皆がここから脱出できる方法、考えるって、拓也も賛成してたじゃん。」
岬は拓也にかわって皆を説得した。
しかし圭吾が、
「ムリだよ。」と言った。
「ムリって…。」
岬の表情が曇る。
「いい加減気づけよ。ここには外部と繋がる出口など1つもない。まして出られたからって、安全なわけじゃなかったら…。」
圭吾の一言に、岬は涙ぐみながら言った。
「気づいてるよ…誰よりも早く気づいてるよ…。」
「岬…」
涙ぐむ岬に、圭吾は戸惑った。
すると岬は、
「それって…遠回しに…圭吾は誰かを殺すって、決めたってことだね?」
その一言に、皆が圭吾から遠ざかった。
「…俺を疑うのか?」
と圭吾。
「圭吾は、そんな奴じゃないと信じたい…でも、自分の言うことにいちいち言ってきたのは、いつも圭吾だった。」
「…。」
だまりこむ圭吾。
「まず、自分でもいいから、信じてみようよ。」
この思い…圭吾に届いたのだろうか。
時計は、夜11時をさしていた。