忘れ物・4

慶衛  2006-09-15投稿
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 消えてしまったほうが良い。僕はきっと、必要とされていないのだ。そんなかってな想像をし、背を向けた。
「待って!」
 また引き止められた。そしてまた振り向いた。すると父親の姿はなく、すぐ目の前に彼女がいた。
「お願いだから、行かないで」
 その懇願に対し、頷いてもいいのか。今の僕の存在が、彼女に悪影響を与えてしまわないか。
「あたしは、一輝が傍にいてくれれば、それで、それだけで幸せだから」
 その言葉が、僕の心を埋め尽くした。
 それだけで迷いは消えた。
 僕は、心からの笑顔で頷いた。

 それから僕は、どんなに難しくとも、彼女と共にいると、心に誓った。


      fin...



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