「また受験失敗だね。ヒロはいつもそうだよね。」
姉に言われる。
「ヒロ、4回目だよ。」
二番目の姉に言われる。
「ヒロ、成長しなよ。」
三番目の姉に言われる。
両親は意地でも俺をエリートにしたかったらしい。幼稚園、小学校、中学校、そして4回目の高校受験に失敗した。
なんだよ、姉3人は馬鹿で公立に通い続けるくせに、俺だけ受験なんだよ!
行きたくないと思うと、受験本番でなにもしたくなくなるんだ。
もう嫌だって思うと自分の中で終了。解答用紙に何も書かけない。そして怒られる。
嫌だ嫌だ。こんな家!
4回目の母親の説教。父親からも。
煩い煩い。
友達は正直いない。
幼い頃から塾だらけ。遊びに誘われて断って、誘われなくなる。その繰り返しだ。