〜第8話・君の事だけを・〜
いつもの朝。ではなかった
「頭痛い」
ハルヒは風邪を引いていた
「ゆっくり休んでねお母さん仕事だから」
「うん」
バタン
ドアを閉める音が響く
「ダルい..」
でもよかった風邪引いて。海斗とどんな顔して会えばいいか分かんなかったし..会うか分かんないけど
「寝よ」
ハルヒは目をつむった
≪ハルヒちゃん!≫
「!」
海斗の声..!何で!
ハルヒはもう一度目をつむった
≪俺が側に..≫
「うぁ!」
ハルヒは飛び起きた。ハルヒの頭は海斗でいっぱいだった
「何なの!」
ハルヒは布団を頭まで被った
その頃
「え!ハルヒちゃんが?」
「はい!風邪引いたらしくて」
海斗はハルヒの教室にいた。海斗の周りには女子が沢山いた
「キャー!先輩に触った!」
「私も〜!」
「ハルヒちゃん..!」
海斗は人混みを掻き分けた
「先輩何処いくんですか!」
「お見舞いだよ!」
「え〜ほっとけばいいのに!」
「は?」
海斗は止まった
「あんな無愛想で友達いなそうな女ほっとけばいいんですよ!」
「そうですよ!いつも暗くて、話しかけてあげても冷めた態度でムカつくのよ!」
「だよね〜!」
女子達の言葉に海斗は拳を震わせた
ダンッ
海斗は力強く壁を殴った
海斗の突然の行動に辺りは静かになった
「なんだよ...それ」
海斗の低い声に周りの女子は怯えた
「ハルヒちゃんの事馬鹿にするな!何も知らないくせに!ハルヒちゃんは好きであんな風になったんじゃない!ハルヒちゃんは悲しい思いをしたんだ!凄く傷ついてるんだ!それ以上ハルヒちゃんの事悪く言ったら許さない!」
海斗の声が静かな廊下に響く
中にはあまりの海斗の豹変ぶりに泣き出す女子もいた
海斗は走り出した
「待って下さい!」
一人の女子が叫んだ
「先輩はあの子の事どう思ってるんですか!」
海斗は振り返って
「特別な子!」
海斗はそれだけ言うとハルヒの元へ向かった
俺は...ハルヒちゃんの事好きなのか?
海斗は喫茶店の店主の言葉を思い出した
≪もう答えは見つかったようですね...≫
俺はハルヒちゃんを守る!一番近くで守りたい!
海斗は強く拳を握り締めて走った
つづく