「もう少しゆっくり寝かせてよ。」と岬。
…おまえのせいで起こされたんだぞ。と拓也は言いたかったが、今はそんな場合ではない。
「オノがなくなってるんだ。」
拓也は、棚の上にあるはずのオノの場所を指差した。
「…疑って悪いけど、今から全員の部屋を調べる。」
「賛成!」
岬は賛成、他の2人も頷いた。
まずは1番、弘貴の部屋。
オノなど全然見つかる気配がしなかった。
そして、少しというか、最も怪しい圭吾の部屋。
「…ない?」
拓也と岬の顔が曇る。
どうして…?
「じゃあ…お前ら2人のどちらかが、オノを持ち出したって事?」
疑いの目は、岬と拓也に向けられた。
「俺…じゃねぇし…岬でも…ない…はず。」
声が震える拓也。
「まず、岬から行こう。」
リーダーシップをとるのは、圭吾へと変わった。
岬の部屋。
「…何も…見つからない…でも。」
「でも?」
岬はビクっとした。
「何で布団が2つあるんだ?」
まぁ、当然の疑問だろう。
「俺が、岬の部屋で寝させてもらった。」
そこだけは拓也、しっかり言ってくれた。
すると弘貴が、
「1人で寝れないんでちゅか〜?」とバカにしたので、
本気で殺意が湧いてきた。いい意味で。
「よし、じゃあ拓也だ…。」