最後に、拓也の部屋…。
「オノはない…はずだ!」
扉を開けると、そこにはオノが。
「…あれ?とぼけてた?」
「俺は持ち出してない!!」
必死に否定する拓也。
すると圭吾が、
「でも岬と一緒にいたということは、拓也くん…夜1回、リビングを通ったって事だよね?」
ハッ…くそっ…。
これじゃあ無実を証明するのは難しい。
お前こそどうなんだよ…とか、
岬に「拓也はそんなヤツじゃない!」って守られても、どうにもならない。
「岬を…殺そうとしてたの?」
「ち…違う!」
『俺は信じてる。岬の事。』
『自分も信じてるよ。拓也のこと。間違っても殺さないでね。』
あの会話が、頭に浮かぶ。
すると岬が、
「拓也は、そんなことするような人じゃないよ。」
とかばった。
嬉しい。けど、何の根拠もない。
「お願いだから…疑うのはやめようよ。」
岬は拓也の前に立ち、
「拓也の無実は、自分が証明する。」
その言葉は、拓也に痛いほど伝わった。
圭吾はうつむきながら、
「それって…俺を疑ってるってことじゃん。」
「…ご…ごめん…。」
誰かをかくまうと、誰かを疑わなければならない。なんて理不尽な現実なのだろう。