運命の契約書£001-1

霧海 2011-12-16投稿
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「………」

俺、銘楼來斗は携帯画面をじっと見つめていた。


「何だこれ……?」


携帯画面に映っているのは、謎のメール。

メールには、能力が何たらって書いてある。

普段ならこんなメール、すぐに消去して忘れるんだが……


「能力って、なんだ?」

能力――それが何なのか。

何故か俺は無性にそれが気になって、メールを消すに消せなくなっているのだ。

「……わけわかんねぇ」

俺は携帯画面から目を逸らし、その場でごろんと横になった。

ふと時計を見ると、時刻は12時30分過ぎ。

メールが届いたのは11時頃。

俺は一時間半も携帯とにらめっこをしていたというのか……。




「………行ってみようかな」


何だか時計を見ていると、待ち合わせの廃ビルに行きたくなってきた。


どうせ今日は家でごろごろするつもりだったし。

――まあ、いつもごろごろしてるんだけど。






「っつうか、流石にこの格好はないよな」


俺は、起き上がって自分の格好を確認した。



ぼさぼさの頭。


元普段着の灰色パジャマ。


穴の開いた靴下。



……お世辞にも、能力を持つに相応しい人間には見えなかった。

「仕方ねぇな、久しぶりにクローゼット……もとい物置部屋をあさるか」

渋々ながら、俺は我が家の物置部屋へと向かった。


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