悪魔の天使 (52)

暁 沙那 2011-12-20投稿
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「勿体無い。」

第一声。

「どうしよう。」

第ニ声。

「勿体無い。」

第三声。

リアは先程の飴細工をどうするべきか結構真剣に考えていた。

とても繊細且つ綺麗に輝く飴の外形、欠片。

早く口にしてみればいいのに、とレクスは言ったが、リアはなかなか口をつけようとしない。

しばらく悩んだ後、一口舐める。

「……!…甘い……。」

リアは呟くように小さく言った。

「口に合わなかった?」

レクスの言葉に首を横に振るとおいしいよ、と笑顔で言った。

「いる?」

リアのさりげない一言にレクスは口角を上げた。

「でもそこまで甘いのは苦手だから…」
「そんなこと一回も聞いたことないわよ。それにそこまでじゃないし。どちらかと言うとさっぱりして…」

そこで唇を彼のそれで塞がれた。

「……っ!?ん…ぁ……」

レクスはほんの少し唇を離すと、リアの上唇を舐めた。

そのもどかしい感覚に身を捩らせる。

「レクっ……!んっ……!?」
「たしかに甘いね。」
「っ……はっ……」

リアは息を荒げ、レクスに身体を預けた。

いつの間にか彼の手に飴があった。

「あのままだったら落とすこと間違いなしだったでしょう?」

いつもと違わぬ態度で飄々とそう言うレクスが少し悔しくて、リアは自分から口づけした。
少し息を呑むような気配が面白かったが、これ以上すると危ないと気付き、止める。

すると彼はすぐに離してくれた。
そして優しく微笑む。

「飴食べながらでいいから行こ?」

リアはそんなレクスの言葉と手をすぐとるのだった。

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