ランプの優しく暖かい光が部屋を包む。
リシュアはただ黙って話が核心に迫るのを待っていた。
「昨夜出発前になって雨が降り出した、俺たちとしては翼竜の鼻が利かなくなるんで好都合だった。景気付けにランタンで飯を食って出かけようとしていた所にお前さんが現れた。店のおやじが魔竜だとか叫ぶもんだから俺たちの間でも多少なり不安は走ったが、まさかと思う気持ちが勝って夜に狩りに出た」
翼竜は飛行に邪魔な雨を嫌うため、賞金稼ぎ達は森の木で雨をしのいでいると考え街の北側の森へ翼竜を探しに出かけた…
だがその森に身を隠していた翼竜はただの翼竜ではなかった。「ザイラス…私が探し損ねたんだ」
リシュアは唇をかみ、膝に置いた両手を堅く握りしめた。