「俺昨日の夜3時頃、トイレへ行って、帰ってくる時に、間違えて拓也の部屋に入ったんだ。その時は、オノはなかった。だからオノが置かれた時間は、3時〜5時半。つまり、明け方…。」
「そうなんだ…。」
岬は頷きながら聞いていた。
「それから、自分の部屋に戻って、少し扉をあけて物音が聞こえるようにしたけど、拓也が岬の部屋を出るまで、誰も変な行動をしなかった。」
「誰も…?」
岬は首を傾げる。
…おかしい。
「拓也が起きてきたから、俺は慌てて扉を閉めたんだ…。」
弘貴の証言で、また事件は迷宮入りした。
「拓也が起きた後にオノを移動させているなら、拓也は気づいているはず…。」
頭を抱え込む岬。すると拓也が、
「あ…まだあったよ。オノを移動させる時間。」
「…え?」
「俺急に腹が痛くなって、トイレに行った。10分くらいトイレから出なかったから、確実にその10分間で、俺の部屋にオノを…。」
「やっぱり犯人は、圭吾か…。」
岬は深いため息をついた。
おそらく、いや確実に、犯人は圭吾だと分かった。4人はそれぞれの個室に戻り、もう少し眠ることにした。
拓也は、オノをもとの位置に戻してから寝た。
しかし10分後、1つの部屋の扉が開いた。
…中から岬が出てきた。そして、圭吾の扉をあけた。