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「愛!次、移動教室だから先に行くよ!」
『うん、ちょっと待って!!』
私は急いで教室を出た。
「愛、課題終わった?」
『終わったよ、提出日、今日だよね…?』
「うっそー!忘れてたー」
いつもと変わらないような、2人の会話が廊下に響く。
「あっ!健先輩だ!やっぱりかっこいいーっ」
まぁ、確かにかっこいい。
でも、私の好きなタイプとは、正反対。
はっきり言ってチャラ男!…かな?
……とにかく!私が好きになる相手では、なさそう。
私達は、廊下ですれ違った。
その時、健先輩と目が合った。
入学式の時も目が合った。
これで2回目。。
「健先輩って、彼女いんのかなぁ?」
美樹の声が全然頭に入らない。
顔が熱くなる。
「愛、大丈夫? 顔赤いよ?」
『う、うん』
何これ……。
少し目が合っただけで、こんなんなっちゃうなんて…。
それから、健先輩の顔が、頭から離れなかった。
これが、私の初恋になるとは、思いもしなかった。
つづく