圭吾の提案に、弘貴は、
「外が…危険だったら?」と反論。
しかし、圭吾の主張は続く。
「4人で、この部屋を脱出しよう。」
『自分に自信を持つ。』
この日から、圭吾は少し変わったように見えた。
2日目。
「ちょっと入るぞー。」
拓也がまた、布団を持って岬の部屋に入ってきた。そして圭吾も。
「今日ここで寝る。」
「3人〜?」
さすがに岬も、困る。
でも、頼もしいし、淋しくない。
岬は2人を受け入れた。
これに弘貴が入ったら、この部屋はパンパンだ。
だが、弘貴は来ないようだ。良かった…。
すると拓也が、
「翌朝、ちょっと見てみようぜ。食材配達は、どのようにして行われているのか。」
「うん。そうだね。」
岬は頷いた。圭吾は、目覚まし時計を6時半にセットした。
圭吾の顔は、少し変わったように見えた。
温かい目になっているようにも見えた。
「岬…ありがとう。」
「い…いや…。」
岬も、誰かを助けられた喜びで、笑みが止まらなかった。
「何?岬圭吾に何かしたの?」
拓也が聞いてきた。
「え…うん、まぁ…。」
「何だよ〜何してやったんだよ。」
「教えないっつーの。」
そういうおちゃらける岬を、拓也は先生のような眼差しで見ていた。