私には一人だけの兄がいる
私と兄の兄弟二人
幼い頃から仲良しだった。
そんな兄の事を
おにーと呼んでいる。
私が友達と遊んでいても
いつの間にか
おにーと二人で遊んでた。
私の家は、父、母、兄、私
の四人家族
貧乏暮らしで私は何度も
いじめられた事もある。
おにーは一人で怒って
私をいじめている奴に
怒鳴りに行った。
それからいじめはなくなった。
そんな貧乏の原因は
父、にある。
父の多大な借金
私は家が貧乏という自覚が
あったから、靴下に穴が
あこうと昨日の服も着た。
嫌だった、だけど
そんな事よりも嫌だった事がある。
おにーは小学六年生
私は小学一年生
父も母も必死で働いてた。
私達を養うために
仕事を終え疲れて帰宅する
父と母
食事も終え一段落
すると、ガタガタッカッ゙シャーンッ!
父と母の喧嘩が始まった。
酒を飲むとすぐにこうなる
父は酒癖が悪い
喧嘩はよくする
また始まった…と言う感じ。
毎回金の話で喧嘩をする。
母は刃物を出して
自分の身を守る
父はあらゆる家具、家電を
使えなくなるまで投げ壊す
私はその度恐くなり
泣いていました。
幼い兄弟に止める事など
できなかった。
泣いている私をおにーは
外へ行こうと手をとった
近所にある小さな公園へ
連れて行ってくれた。
喧嘩をする度おにーはよく
ココへ連れて来てくれる。
何も言わずにおにーは
私の頭を撫で
『恐かったよな。ごめんな』
そう言って私を安心させてくれた。
それから家へ帰ると
散らかった部屋に
父と母は冷静になって
話をしていました。
それからおにーは高校三年生
私は中学一年生
私はもうすぐ中学二年生に
なろうとしていた頃
私はいつものように
学校から帰って家にいました。
少しして、おにーが帰って来て
おにーはすぐに遊びに
出掛けて行きました。
お互い成長したせいか
小さい頃のように
会話もあまりしなくなりました。
今日は父、母、私の三人
さっさーっとご飯を食べ、
私はお風呂に入りました。
ガタガータッガッシャーンッ!!
うわ…また始まった。と思いながら
ぱっと見ると
母が自分に刃物を向けていました。
私は急いで着替えて
携帯と財布、大事な物を持って
外へ逃げ出しました。
家から少し離れた所で
暗い夜に座り込み
もう嫌だな。と思ってた時に
ふと、おにーがいつも連れて行って
くれていた公園を思い出しました。
そうだ!おにーに電話しよ!
『……プルル…』
『………プルルルッ』
『…何!?』
『…お父さんとお母さん
喧嘩してるから帰ってきて!』
『はい。……ブチッ。』
私はおにーが帰って来ないと
わかっていました。
ー10分後ー
『こんな所で何しよるん!?』
頭を上げるとおにーでした。
それからおにーは私の横に座り
おにーに父と母の喧嘩を
説明しました。
するとおにーが公園行こうか、と
言って、何年ぶりに行きました。
すると私に話始めました。
『俺は親父みたいにはなりたくない
だから酒も飲まねーし喧嘩も
したくねー。
お前は、俺よりも上の会社員と
結婚しろよ!毎日金の事でばか
みてーに喧嘩して嫌だろ!
俺も後悔してる、会社に入れたけど
もっともっと勉強すればよかった
お前の結婚相手は俺の
面接があるからな!!』
そうおにーは言った。
確かにおにーが酒を
飲んで居る所を見たことがなかった。
頭がバカな私に比べて
おにーは元々成績優秀な方
私が悪い事をしても
おにーはいつもようりょうが
いいからばれやしない。
私が悪い事をすれば
殴り、言う事を聞くまで
私を怒り、叱った
そんなおにーを少し憎む
自分がいた。
それから、おにーは入社して
毎日仕事を頑張っている。
私は、高校二年生。
おにーは彼女をよくつれて
くるようになった。
ある日、おにーと彼女が
父と母に話があると言って
正座をし、真剣な顔で
子供ができたと言った。
これをきっかけに
家を出て二人暮らしを
するためおにーは
遠く離れた場所へ
引っ越して行った。
ある日おにーからの電話があり
結婚式に招待された。
私は、制服で結婚式に出席した。
久しぶりにおにーに会い
なんだか照れくさかった。
写真に映るおにーは
凄くかっこよくて
幸せそうだった。
……
…
挨拶
友達からの祝いの言葉
キャンドルサービス
中盤が終え
私にはおにーに
伝えたい言葉があった。
ありがとう
幸せになってね
大好きなおにーに
私を一番に考えてくれて
私の為に叱ってくれて
ありがとう。
ただその一言が言いたかった。
ただそう言いたかった。
でも…言えなかった。
照れ臭くて
おにーの隣りに行く事すら
できなくて
大好きなおにーなのに
私は今だに伝えられないままです。
ありがとう その一言が
言える自分になりたい。
おにー ありがとう。