「や…やべぇ…。」
圭吾、岬も驚く。
「気づかれてたら、殺されてるところだった。」
拓也はもう一度、
「今度俺が覗く。2人はそこにいろ。」
拓也は決死の覚悟で覗いた。
そこには、誰もいないリビング。
1日分×4人の食材が並べられていた。
拓也は再び扉を閉じようとした。すると、異変に気づいた。
「…弘貴の部屋…開いてるんだけど。」
拓也が震え始めたので、2人が慌てて駆け寄ると、
「…血が…ついてる…。」
岬は一目散に弘貴の部屋へ向かった。
「うわああああ!」
岬の悲鳴と同時に、2人も駆けつける。
「マジ…。」
圭吾は、言葉を失った。
弘貴は、オノで斬りつけられていた。
拓也は、
「あいつに…殺された…。」
弘貴の死体を、岬はいつまでも眺めていた。
「一番つらいのは、岬だ。ずっと…一緒にいて、弘貴といる時が1番幸せそうだったから。」
拓也は岬に同情した。
「岬を、弘貴と2人きりにさせてあげよう。励ますのは、その後だ。」
そう言い、拓也と圭吾は部屋を出た。
岬は、最初の被害者が出てしまったことを、とても悔やんでも悔やみきれなかった。
涙が止まらなかった。この一文だけじゃ書き表わせないほど、たくさんの思い出が浮かんでは消える。