「全く神田は酷いなあ。あ、僕は浦田と言います。立木さんですよね?」
「えっ、ええ…。そうだけど」
嬉々として話しかけてきた浦田に戸惑いを見せる旭。
こういう時の浦田は性別を越えて女子高生寄りな気がする。
感情を隠すことなく、上機嫌でうんうん頷いていたパパラッチ浦田は、
突然周囲も凍りつく衝撃の一言を発した。
「なるほど、なるほど。で、結局、立木さんって神田くんと付き合ってるんですか?」
「「!!?」」
(浦田の奴……!こ、こんな人通りの多いところで……)
仮にも下校時の、下足場前。帰宅する生徒が一斉に出てくるこの時に。
当然周りが聞き耳を立てているのが振り向かなくても分かる。
この時はちょっと真剣に浦田との付き合いについて考えてしまった。