寒いのは私だけ。
ほんとに?
だったら
どうしてそんなもの
着ているの?
ねぇ。
どうして嘘をつくの?
………………。
――だから嫌いなんだよ!!
因果律なんて旋律は
音楽には無いらしい。
何処に在るかわからない
――でも
何処にでも在る旋律。
僕はようやくその旋律を
聴く事ができた。
衣擦れのその音を。
僕達は見つめ合ったまま
動かなかった。
お互い
相手の瞳に映った、
自分の顔を
見ていたんだと思う。
まるで鏡のように。
自分自身のように。
どれだけ
そうしていたのかは
あまり覚えて無い。
1秒だったかも、
しれないし1時間だった、かもしれない。
ただ、
この沈黙を破ったのは
彼女だったのは確かだ。
「海と山、どっちがいい?」
「海」
「死ぬなら
海と山、どっちがいい?」
「海」
再び沈黙。
そして――
どちらともなく
吹き出して、
お互い笑いあった。
そう
これは茶番だ。
わかり切った事をわざと
訊くような。
社交辞令で
通過儀礼だ。
これで僕達に
言い訳ができた。
さぁ、
反撃の狼煙を上げようか。
をんです。
よかったら感想
ください。
出来れば批判を。
ひとつダメ出しを。
お勉強させて
いただきます。