拓也も悲しいのだ。
しかし、もっと悲しんでいる人がいるのなら、手を差し伸べてあげ、支えることが、筋なのではないだろうか。
岬は、若干ふらつきながらも、イスに座った。
「無理せず、食べられる分だけ食べろ。」
「はい…。」
岬は頷いて、悲しみを堪えながら食べ始めた。
「うまいか?今日俺、少しはりきっちゃった…。」
確かに。朝から魚料理。
「うん…。」
「ほら、圭吾も食べて。」
「…まるで父親みたいだな。」
笑いが起こった。
もうこれ以上、死者を出さずに脱出したい。
でも、ルール上ダメなんだ。
だったらせめて、裏切りなしで過ごしたい。
岬は弘貴の分まで、そう思った。
3日目の夜、3人はそれぞれの部屋で寝ることになった。
岬はいつものように、考え事をしていた。
3日目の朝、弘貴が殺された。
犯人は、食材を配達しにきた…ん?
待てよ…
あれは人間じゃなかった。ロボットだった。
もし、誰かが操っているとするならば、犯人は別にいた可能性もある。
岬は、まさかとは思ったが、机の引き出しを開けてみた。
「あった…。うそだろ…。」
…リモコン。