Past†Origin(4)

有間 総二 2012-02-04投稿
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「もう喧嘩売ってこないでくれよ」

割と切実なんだから


ただ、大輔に聞こえてるかは分からない

気絶してるかも


「まぁ、良いか……」

大輔をそのままに、俺は体育館を出て寮に向かう



寮に着けば待っていたのは質問の嵐だった

「また大輔に勝ったのか!?」

「一体どんな風に!?」

「そもそも能力は何なんだ!?」


男子寮だから暑苦しいのは分かるが、流石にうるさい

「………殴ったら勝った」

間違いは言ってないし、質問には答えた

しかしうるさいのは止まなかった


やれやれ

「寝たい」

ボソリと告げ、少し睨むと、すぐに静かになった

最初からこうすれば良かったな



部屋に入り、扉の鍵を閉めると、ベッドに倒れ込む

「……疲れたな」

気づけば寝ていた





「防御班を増やせー!」

「回復班は攻撃班の治療を急げ!」

「なんとしても食い止めるんだ!!」


ガタガタうるせぇんだよ

「ぎゃあ!」

次々と沸いて来るカス共を潰すのは気分が良かったが、流石に数が多い

「止まれぇー−!…がっ!」

止まらない攻撃

爆音

悲鳴


あぁ、もうダメだ

「………めんどくせぇえぇぇぇぇぇ!!!」

咆哮と共に駆け出す

見える全ての敵がまるで溶けかけの雪のようにグチャリと潰れる

グチャリ

グチャリ

まさに地獄絵図

俺には天国だけど



「……テメェで最後か」

どうやら重力操作の能力らしいな

平然と立ってやがる

「私の命に代えても、ココで貴様を殺す!」


初老の男が叫ぶ

ククク…、ジイさん

「それ、死亡フラグって言うんだぜ?」


俺の言葉には耳も貸さずに、俺にかかる重力を強くする

「潰れろぉ!」


ただ、俺にはきかない

「ジイさん……さよならだ」

ゆっくりと歩き、ジイさんの前に立つ


「くっ……ここまでなのか」


その老体でよくやった方さ

「勇敢なジイさんに、乾杯」


老体が弾けた

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