5日目。
朝、岬が起きると、いつもの場所にオノがない。
拓也は、まだ寝ているのだろうか、部屋の中。
岬は、きっとオノを持っているのは圭吾だと思った。
それを予測したのにも関わらず、岬は圭吾の部屋に入った。
あの…リモコンを持って。
「…ノックぐらいしろよ…。」
驚く圭吾をよそに、岬は問い詰めた。
「このリモコン…使ったよね?」
圭吾の眉がピクッと動いた。岬はそんな一瞬の動揺も見逃さなかった。
「やっぱり…これで、拓也と自分の目を盗んでロボを操作して、弘貴を殺した。」
「…。」
「裏切る奴は…いつまでもそうやって、裏切り続けるんだね。」
すると圭吾は、何も言わず、笑い始めた。
「俺、弘貴嫌いだったの。あぁいうおちゃらけた奴、俺大っ嫌いなんだよ!」
「…。」
「案外、みんな簡単に騙せるし、簡単に殺せるし、最高だね。」
圭吾は、完全に壊れていた。
「そもそも、岬のバカがつくほどの優しさが、こんな密室に連れ込まれた原因だよ。」
岬をバカにする圭吾。
「岬殺して、拓也も殺して、俺、10億もらっちゃおっかなー。」
「おまえ…。」
息を呑む岬。これが、リアル「張り詰めた空気」
すると圭吾は、オノを取り出し、構えた。
「せっかく俺の部屋に来たから、殺してやろうか?」
「…。」