反抗したい。けど、反抗して、これ以上相手を興奮させたら、元も子もない。
どうするか迷っていると、拓也が咄嗟に入ってきて、岬の前に立った。
「ずっと聞いていたよ。岬に対する悪口。」
「拓也も来たか。どうせなら2人まとめて殺しちゃうか?」
拓也は岬を庇った。
「これ以上岬を傷つけたら、俺が許さねぇ。」
「なんだよ。個室で1人で寝れなかったビビりのくせに。」
「ビビリはそっちだろ。」
拓也の目は、正義に満ちていた。
「拓也…言いすぎじゃ…。」
岬の心配にも、拓也は
「俺が絶対守る。」
と言うばかり。
「…かかってこい。」
拓也VS圭吾。武器は、圭吾が持っているのに。
拓也は挑発した。
「うりゃあ!」
圭吾は、拓也、そして後ろの岬に向かって突進してきた。
「岬は避けろ!」
「は…はい!」
岬は避けた。そして目を閉じた。
…グサッ…。
誰かが…刺された音…。
「うぐおっ…。」
岬は、開けたくない目を、開けた。
そこには、意外な光景が広がっていた。
血だらけになっていたのは、圭吾。しかし、まだ生きている。
「この…野郎…。」
足に絡み付いてくる圭吾に、拓也はたじろいでいた。