幸せの一月を一生忘れない 10

那巧  2006-09-16投稿
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 何時か・また・ずっと・何時までも・・・etc
未来を指す言葉がどれだけ相手を悲しませる物か知らずに私はよく使った。彼はどれだけ悲しい思いをしていたことか・・・


11月27日、もうすっかり寒くなってしまった。雪もチラチラ降り始めた。はく息も白く、もう冬なんだと実感した。つきあい始めてからちょうど27日。
今日、澪は休みだった。
 「つまんない・・・」
澪は私にとって念願の初彼で、今までで一番愛してる人。初めは普通にカッコイイだけで、特別な感じはしなかったけど、今ではもうその時の自分が信じられないくらい澪のことを、あ、愛してる////
 「澪・・・・」
いるわけ無いのに呼んでみた。そしたら
 「何?」
 「れ、澪!!」
いないと思っていた澪がひょっこり顔を出して返事をしてきたので、けっこう驚いた。しかも、学校にいなかった割にピンピンしている。
 「な、何で学校来なかったのっ」
 「朝っから、少し、熱があったんだ。けど、良くなったから・・・ほら、買い出しに・・・来たんだ」
澪は片手に買い物袋を持っていた。もう片方の手はポケットに入っている。
 「ダメじゃん、ちゃんと寝てないと・・・」
本人が良くなったと言っても、まだ顔は普通より赤かった。それに話すのも辛そうに見える。
 「まぁ、そう言わないでくれ、よ・・・話が、あ、るん・・・・」
 「澪!!?」
澪が私の方に倒れた。耳元で荒い息の音がする。かなり無理してたらしかった。
私は、その時偶然買い物袋の中身を見た。
 「く、すり・・・・?」
そう、薬が入ってたんだ。私は風邪薬か何かかと思った。

私は知らなかったんだ。彼の命があと、3日しかないことを。

  

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