いつの世も 晴らせぬ恨みは尽きぬもの あなたの恨み 晴らします…。
都内、雑居ビルの一室。札を数える中年の男。
「自分は楽をして金が儲かる仕事程、良い商売は無いなぁ…」
゙ピンポーン゙
「ん?誰だ、こんな時間に…」
男が、数えていた札を無造作に金庫に押し込んだ。
「…誰だ…」
ドアを開けると見知らぬ女が立っていた。
「何だ?お前は?」
「夜分にすみません。実は、大学の占いサークルの実践中でして、是非協力をお願いします」
にっこり笑う女。
「女子大生か。可愛いなぁ…。どうするんだ?」
「このトランプから一枚選んで下さい。」
女が、5枚のトランプを前に出した。
「選べばいいんだな」
男がトランプを選ぶと、ジョーカーだった。カードには、死神のイラストが書いてある。
「ジョーカー?」
「あなたが選んだカードは、ジョーカー…。カードのイラストは死神…。あの世まで送らせて頂きます…」
゙シュッ!゙
女の持つカードが空を切り、男の首を切り裂いた。