コロニー

 2006-09-16投稿
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ここは、太陽系外の殖民惑星。

顕微鏡をのぞく科学士官の少佐がそこにいた。

「私の研究成果がッ――」

何と、顕微鏡の取っ手部分が自分の首に巻きついたのだ。

「ぐがッ!」

拳銃を手に取り、顕微鏡を破壊した。

「なんだこれは?」



司令部に報告した少佐は、副司令官とその他兵士・将校・下士官が犠牲になっていることを聞いた。

「この惑星を脱出すべきです」

この提案は、すぐさま呑まれた。

そして、この奇妙な出来事の原因が判明した。

この首に巻きついた顕微鏡は、『コピー能力を保持し、実体をもたない』エイリアンだった。

つまり、その物をコピーし、自分自身で人を殺すのだ。

そして、自分達のテリトリーを侵された彼らは、反撃に乗り出した。

「地球軍に救援を要請しました」

地球艦隊の巡洋艦が迎えに来てくれるそうだ。

その時間は

『今日の1300時』

「ただし、『衣類はもちろん、その他一切のモノを保持すること』を禁じます」

全裸の状態で巡洋艦に乗り込むのだ。

最悪な事態になってしまった。この星には生命体がいないハズだったのに……


少佐を先頭に研究部隊は歩き出した。全員、真っ裸だ。

男性しかいないので、そこまで問題はないのだが……

極寒の惑星であり、零下8度を指していた。

巡洋艦が宇宙港に到着した。

現在時刻、1235時。予定より25分も早い。

気温16度の冬の惑星であるため、

「寒さに耐えるよりはマシだな」

と司令官が言い放ち、巡洋艦に乗り込んだ。


1301時。

少壮気鋭な男が、1隻の船を降りた。

「司令官閣下は、まだかな?」

その男は呟いた。

「少し遅れたくらいですので、絶対にいるはずです、艦長」

その副官らしき男は、艦長と呼んだ男を見つめた。

「まだか」

艦長たちがいくら待とうと、少佐たちがくることはなかった。

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