―見たことのない家の中―
…多分、見たことのないうち。
廊下は見渡す限りでは結構長い
床も壁もみんな木でできている
障子の引戸をひたすら開けては
そこには誰もおらず。
狭い畳の部屋に机と座布団のみの部屋
古めかしいが洋式の便所
洋服ダンスとラックのある部屋
畳と窓のみの部屋
結構不気味だが、お構いなしに
探し物を探していた
でも
やはり無かった
何となく分かっていた
分かっているけれど
とにかく早くあげたかった
変わりの物を探そう。
米だ。
―ドアを開けるといつもの居間―
炊飯器にまだ昨日のご飯が
あった。
やっぱり。
良かった。
夢だけど、
ぴーちゃんともう少し一緒にいたかった
7年も経つのに
少し忘れかけていたのに
忘れようともしていたのに
毎年現れるのは
私のせいでしょうね。
ごめんね。