俺を中心に光の球が出来て、どんどん膨れあがる
「くっ、暴走か……」
「ウガア゙ァァァァァ!」
「仕方ない、一旦退くか」
ロギは一瞬でどこかへ消えたが、俺は止まらなかった
いや、自分では制御出来てなかったのだから、止まれなかった、が正しいのだろう
「ヴグォオォォォォ!」
「オイ、馬鹿野郎!」
突然後ろから声をかけられ、振り向こうとしたが、その前に後頭部からの強烈な鈍い痛みが俺の意識を持ち去った
[???]
「どうやら、XIは記憶を失っているようです」
「そうか、御苦労だったVII」
「いえ、結局撤退しましたので」
「IXも帰って来てたし、XIは暴走していた。仕方ない事だ」
「……ありがとうございます」
「XIIは?」
「どうやら、あのAbilitySchoolに潜んでいるようで、気配を感じました」
「……下がって良いぞ」
「はっ!」
[AbilitySchool:No.3:医務室]
「痛っ……!」
「あ、神那君、起きたんだね」
見渡すと嶺臥が心配そうにコチラを見ていた
「………ココは?」
「医務室だよ」
そうか、俺はロギに負けて…
「俺はロギに負けたんだな」
「え?覚えてないの?」
「……どういうことだ?」
俺はロギに負けて医務室にいるんじゃないのか?
「神那君が凄い光を発して、ロギって人を追い払ったんだよ?」
「追い払った?俺がか?」
嶺臥は困ったような驚いたような表情で俺を見つめる
「神那君を中心に光の球が膨らんでいって、追い払ったんだ。その後しばらくしたら光が消えて、神那君は倒れたんだよ?」
本当に覚えてないの?と嶺臥が尋ねるが、俺は無言で頷くことしか出来ない
戦闘の事は思い出せるのに………
『その連続襲撃犯と……同じだろうがあぁぁぁぁぁ!』
どうにもそこからが思い出せない
思い出せないと言えば……
『XI、記憶を失っているのか』
俺が失った記憶とは何なんだ
ロギは何故俺のことをXIと呼んだんだ
そして………
疲れからか、俺はまた気絶した