温かな傷口

ユナ 2012-03-14投稿
閲覧数[451] 良い投票[0] 悪い投票[0]

去り際の一瞬の沈黙
きっと瞬き程の一瞬
けれど
僅かな視界に見たあなたの横顔は
あたかもずっと眺めていた光景のように
くっきり脳裏に焼き付いた


車から降りたあなたに
慌てて手を伸ばす
困った奴だ、と顔に書いてある
あの沈黙くらいの時間が流れて
あなたが手を握り返した


あなたの瞳を見るのが怖くて
俯いたままあなたの温もりだけが移動する
同時に胸に刻まれた傷は
温もりを失っていく私の手から
熱を奪って痛みに変えた




投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「ユナ」さんの小説

もっと見る

詩・短歌・俳句の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ