去り際の一瞬の沈黙 きっと瞬き程の一瞬 けれど 僅かな視界に見たあなたの横顔は あたかもずっと眺めていた光景のように くっきり脳裏に焼き付いた 車から降りたあなたに 慌てて手を伸ばす 困った奴だ、と顔に書いてある あの沈黙くらいの時間が流れて あなたが手を握り返した あなたの瞳を見るのが怖くて 俯いたままあなたの温もりだけが移動する 同時に胸に刻まれた傷は 温もりを失っていく私の手から 熱を奪って痛みに変えた
新着小説100作品 恋愛ミステリSFファンタジーホラーエッセイ日記ノンジャンル公募投稿作品アドベンチャー詩・短歌・俳句スポーツコメディ学園物その他管理人用