ここ、何処だ・・・・
暗く、何もない。一面真っ暗で、自分が白い服を着てたっている所だけがボンヤリと明るかった。
「 い・・・・」
誰か呼んでる。
「・・・い・・・れい・・・」
あ、知ってる。この声は
「ふぅ・・・か」
澪がやっと目を開けてくれた。けど、その声はか弱く、情けなかった。
「ど、こ・・・?」
「近くの病院」
私は澪が倒れたので、ちょうど見える距離にあった病院まで運んできた。
「黙ってたの?」
ここへ来たときお医者さんから聞いたことがある。澪はここへ通っているんだということと、その理由。
「悪かった・・・」
澪は私を見ようとしないで天井ばかり向いて話す。
「何で黙ってたの?」
「悪かっ・・・た・・・」
澪はさっきから謝ってばかりだ。
私は黙っていた理由を訊いてるのに澪は話してくれない。それどころか目さえ合わせてくれない。何か、悔しかった。
「澪、私のこと・・・」
澪は私のことを信じてくれてないんだ。だから、話してくれないんだ。そう思うと悔しくてたまらない。
「ゴメン、風香」
やっぱり、謝るだけだ。
私はボケボケで、良く聞き間違えるし、覚えるのも苦手な方だ。だから、自分の大切な人の病名も覚えられなかったけど、私なりにすっごくがんばってたのに、信じてもらってないのはやっぱり悔しい。
「俺、すっごく、メチャメチャ、怖いんだ・・・」
澪は苦笑いを浮かべてそう言った。
私も心のどこかで怖がってたんだと思う。