加南子は悲しかった。大好きなたけしに殴られた。理由はある。たけしが好きなプリンを勝手に食べたのである。
加南子は失意のどん底。わんわん泣いた。
とはいえ、加南子は負けない。なんとかしてたけしに許してもらいたかった。
「たけちゃん。肩もんであげる」
「ありがとう」
たけしの部屋に入れてもらった。二人、ベッドに腰おろし、ドキドキドキドキ。二人はもう小学高学年だ。そりゃあ多感な時期。エッチなことだって考える。
たけしが加南子を触ろうとした瞬間、ドアが開き、たけしの母親が現れた。「たけ。ケーキと紅茶持ってきてやったぜ。加南ちゃんも食え」「あ、ありがとうございますババア」たけしは軽く舌打ちした。
野良犬がわおおおんと不気味に吠えた。