西木が来てから数日が経ち、俺の体力もほとんど完全に回復していた
「どうやら、西木って男の人は、連続襲撃犯じゃなかったようです」
「模倣犯、ってことか」
最近は嶺臥や狗鴛、まれに大輔ともつるんでいた
「はい、監視カメラの映像が手に入ったらしいんですけど、ノイズだらけだけどかろうじて召喚するタイプ能力ではないとか」
「そうか、まぁ西木は弱そうな気配がプンプンしてたしな」
最近は本当の連続襲撃犯も身を潜め、平和そのものだった
「そういえば……」
「ん?どうした?」
聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で嶺臥が呟いたことに対し、俺は突っ込んでいく
すると嶺臥はしまった、とでも言いたげな、焦り顔でこちらを見る
俯きかげんで上目遣いにこちらを見る姿は、イタズラがばれた子供のようだった
「なっ、何でもないですよ」
「それは何でもあると言ってるようなもんだぞ」
嶺臥は観念したように怒り肩ではない肩をさらに落とす
「はぁ、大輔さんに口止めされてたんですけど……、実は、連続襲撃犯から予告状が届いたみたいなんです」
「予告状?」
はい、と嶺臥は続ける
「『来週のいつか、AbilitySchoolNo.3の管理する校舎を全て破壊し、教師、生徒に関わらず所属する人物の生命、また、同校の名誉を奪わせてもらいに伺う』との手紙が、直接ポストに入れられていたって話ですけど……」
「そうか……」
嶺臥が心配そうに覗き込んでくる
「まさか戦うつもりじゃあ……ないよね?」
「何言ってんだ!俺がメガネかけてるからって大人しいわけじゃねぇんだよ」
そう言いながら俺はメガネの位置を直す
「売られたケンカは買うまでだ」
[???]
「どうやらXIIが動き出したようです」
「奴は我々の中でも珍しい能力の持ち主だからな、もしかするとXIにも勝つかも知れんな」
「まぁ戦ってみれば分かる話だにゃ!」
「IIXの言うとおりだな、戦ってみれば分かるな」
「アッシもIIXやVIに賛成ですよぉ、今回は見守りましょぉ」
「最もIに近い能力を持つXIが勝つか、最も変則的な能力を持つXIIが勝つか……、面白そうだ」