落ち続けていると
墜ち続けていると
堕ち続けていると
ある地点から、
急上昇している様な
逆に昇っている様な
奇妙な感覚に
陥る事がある。
ふと気付くと
気を抜くと
微睡むと。
全てが逆様になる。
景色は変わらないのに
状況は変わらないのに
存在は変わらないのに。
真っ逆様にオチテ
真っ逆様になる。
墜ちて上って
落ちて登って
堕ちて昇って。
洋館である。
ホラー映画や
ミステリー小説に登場するあの古びた館だ。
ツタが壁を覆い
庭は荒れ果て
蝙蝠が逆さ吊りになり
エトセトラエトセトラ..。
そんな"お化け屋敷"を
眼前に俺は呟いた。
「汚ねーな」