久しぶりに、りかと由子に呼び出された和人と卓人は、2人の思いつめた表情を見て、何かあるなと悟った。
和人「どした?2人とも?」
由子 「和ちゃん…今の自分て、今の自分の状況って、満足してる?」
和人「え?満足?それどうゆうこと?」
卓人 「由子ちゃん、どうしたの急に?そんな質問するなんて」
りか「卓…私もそれを聞きたいんだ。和人さんも卓も、ソロで売り出して、楽しい思いのまま、いれてるのかなって…」
和人「それは…」
和人は、言葉に詰まった。
卓人も同じだった。 そう…ついこの間、長村愛に言ったぐちを、そのまま指摘されたからだ。
今の自分達は、経済的にも何とかやっていけている。
だが、琢也や、俊作と組んだ時の、コンビとして、仲間として、もっと表現したいと思っていた頃のわだかまりが、どこかに残っていたからだ。
由子「和ちゃん、あのね、私、同僚にプロポーズされたの…正直迷ってた。前に言ってくれたよね。
『好きな人が出来たら、俺のことは、捨ててくれてかまわない』って…私、ついてくよ。どこまでも…」
和人「由子…」
りか「私もだよ卓…私も、由子も、かっこつけてる、2人を好きになったんじゃない!琢也さんや、俊作さんと、純粋に楽しそうに、やっている姿を好きになったんだよ」
りかの言葉は、2人の思いを代弁していた。
りか「私…思うんだ。和人さんも、卓も、心から笑えてないんじゃないかって!
本当は、もっと笑いを伝えたいんじゃないかって…」
その通りだった。
和人も、卓人も、本当の自分を、押さえつけられ、心から笑えていなかった。
和人「…その通りだよ。俺、心にぽっかり穴が開いたままなんだ…本当は、もっと琢也や卓や、俊作と、笑いを、何かを伝えたいんだよ!」
卓人 「…俺もだよ。本当は…」
2人の本当の思いを聞いた、由子とりかは、ホッとした。
同時に、レストランで出会った、義則達にもう一度会いたいと思った。