僕には大切な友達がいる
年上で可愛くて強くて優しくていつも傍にいてくれる親友だ
だけどその子は自分を大事にしてくれない
僕はその子のそんなところが大嫌いだった
ある日その子が苺狩りに行こうと言った
最初僕は行ってもいいと思った
だけどその子は咳をした
何回も咳をしていた
僕はその子が風邪をひいてることに気付いた
だから行かないほうがいいと言った
でもっその子はふらつく身体をおさえながら
大丈夫と言った
僕は絶対なにがなんでも行ったらいけないと言った
だけどその子はやだ絶対行くと言った
だから僕はなら勝手にすればいいよ
もう止めないからと冷たく言った
そうしたらその子は暗い顔になりどこかに走っていった
僕は引き留めなかった
引き留めても意味ないと思ったから
もう一人いた友達から追いかけないのかと聞かれた
だから僕はこう言った
最初から僕達はただの友情ごっこだった
だから別にもうどうでもいい
僕はあの子が大嫌いだ
だからあの子に「さようなら」と伝えてほしい
そうして僕はその場を去った
もうあの子に会うことはないと
別に後悔はしてない
だけどもうあの子が傍にいないと思うと
少しだけ胸が苦しくなった
もうこれで全て終わったね―