叶呼『………』
気まずそうに俯いている。
俺の反応を伺っているのだろう。
貴博『いや、お前さんは悪くないさ、別に気にする事ないよ』
あえて優しく諭すように言う。
叶呼『………はぃ』
可愛らしいもの鬱げな返事が返ってきた。
貴博『上がってくか?』
叶呼『うぇ?いいの?』
つか上がってけ。
貴博『遠慮すんな。ここまで来て帰る気か』
今更だが我が家の位置をどうやって知ったんだ?
まぁいいか。
叶呼『野中がいいなら、お邪魔させてもらいます』
貴博『おぅ、上がってけ』
叶呼『でも、変な事したらタダじゃおかないから』
変な事ね…確かに心の悪魔が淫語を呟いているが俺はそんなもんには屈しないぞ。嘘じゃないぞ。
貴博『変な事とかまっさきに考える奴の頭の構造が知りたい』
自意識過剰だっての。
叶呼『何よ…えらく食いつくじゃない…』
貴博『と、ここが俺の部屋だ。入れ入れ』
叶呼『って無視か』
叶呼『まぁいいや、一応お邪魔しまーす』