「………………デート?……あぁ!!!」
一瞬放心して、やがて我に戻った蒼子は床にばらまかれたシャーペンの芯を必死に拾いながら
「三秒以内に拾えばまだ食べられる」
と呟いていた。
ってか何度でも言うが、シャーペンの芯は食べ物ではない。
でも、蒼子が必死になっている姿を見て、仕方ない奴だなと気づいたら僕も一緒になってシャーペンの芯を拾っていた。
「………っ北岡君」
そんな僕を見て蒼子は少し、ビックリしていた。
「……僕だってな、人助け位はするんだよ。それより早く拾えよ………大好物なんだろ?ソレ」
「………北岡君……優しいね」
口は笑っていなかったものの蒼子の目がとてつもなく優しく…………正直に言うとそんな彼女が
可愛いなんて
僕とした事が思ってしまった。