シャーペンの芯を食べる彼女。四話

大家ヒロト 2012-03-26投稿
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蒼子の優しい表情に少しドキドキしながら、シャーペンの芯を全て拾い集めた僕は<例>の本題に戻った。


「…それで、デートの事なんだけど……べ、別に付き合ってる訳でもないし、お前が嫌と言うなら…」

たった一人の女子をデートに誘うだけなのに僕は一生分の勇気を使い果たしそうだ。トホホ…



けど、少し間をおいて蒼子は



「……いいよ。ちょっとびっくりした……けど北岡君、シャーペンの芯を拾ってくれる優しい人だし。



それに、私もっと貴方と話したい」



ガリガリ


ガリガリ


と、さっき拾ったばかりのシャーペンの芯を食いながら返事をしてきた。

こいつ、言ってる事は僕より一人前なのに……


やってる事が……残念すぎる。



「ところで、北岡君。……今日のデートは何処へ連れてってくれるの?」

蒼子が大切そうにシャーペンの芯をカバンにしまいながら、僕に問いかけてくる。



すると、僕はニヤリと笑い


「まあ、黙って俺についてきてくれ」
なんて、大口をたたき。

僕らは放課後の教室をあとにした。



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