中学3年、部活の引退試合も近づく5月の終わり。
私、宮崎ひかりは友達とテニスの練習をしていた。
「ねぇ、そこの3年の人!」
「うちら?」
「あのさーここ男子のコートじゃん?女子は向こう行けよ」
(なっなにこいつ!?2年のくせに!!)
「だって、あっち他の人使ってんだもん!いいじゃんもう1面あるんだから」
「・・・しょーがねぇなー・・」
最悪な出会いだった。でも、このときは気づかなかったけど
わたしの恋はもう始まっていたのかもしれない。
あいつの名前は岡本弘樹というらしい。
翌日、私は学校でもその名前が気になって仕方なかった。
―まだ私はその気持ちに気付いてはいなかった―