男はいつもの様に目覚めた。いつもの様に身支度し会社に向かう。いつもの様に仕事をこなし帰宅。シャワーを浴びスーツに着替え夜の街へ出勤する。
こんな生活を始めて2年。離婚がきっかけだった。
男は40才。ひとりには広すぎるマンションに耐えきれず、大昔かじった夜の街に飛び込んだ。
顔が良いわけでもスタイルが良いわけでもない男でもそれなりに出会いはあった。
1日限りの関係や何度か続いた関係。2年も続けるとそれなりに楽しみも増えてきた。だが自分の生活に踏み込まれるのも、相手の生活に踏み込むのも…無意識に嫌った。
信用する力を離婚と一緒になくしてしまった。