ガリガリ
ガリガリ
「美味しいか?」
文房具屋の帰り道、蒼子はつい先程買ったばかりのシャーペンの芯をを嬉しそうに頬張っていた。
………まるで、リスがクルミを食べているみたいだ。
「……純君、ありがとう。私前から色んな種類のシャーペンの芯を食べるのが夢だったの」
「お前……じゃなくて、……<蒼子>の夢は随分小さいな」
すると、蒼子はくすりと笑い。
「だって…小さい夢の方が……
【気楽】
だもの……」
「…気楽……ねぇ」
ガリガリ
ガリガリ…
蒼子はシャーペンの芯をくわえたまま、ぼんやりした顔でうつ向いた。
その時だった。
「純〜〜〜〜〜っ!」
ドスッ
僕の背中に重い何かが、のし掛かってきた。
「うわぁあぁ!!?」
重い何かの衝撃はとてつもなく強く、
僕はコンクリートに顔から突っ込む。
「じゅ、純君!……大丈夫?!」
その一部始終を横から見ていた蒼子は、シャーペンの芯を鞄に素早くしまい、
困った様な顔で
「うわぁ!純、久しぶりじゃん!!もう白ブリーフは卒業したぁ?」
僕の上に乗った重い女子を見つめていた。