DARK-NESS 10

ZAZA 2012-03-31投稿
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会場に入ると、奥の教壇に男が立っていた。



「好きな所へ座って下さい」



言われる通りに座ると、男は淡々と話し始める。



「審査では見事な腕前だったと聞いております。本当におめでとうございます。」



表情からして心がこもってないのは見てすぐにわたった。



「ではライセンスを授与したいと思います。」



ムカイは一瞬聞き逃しそうになったが、すぐに気付き質問する。



ムカイ「す、すいませんライセンス取得試験は?」



男は表情を変えず答える。


「審査でSランクになりましたら、その時点でライセンス取得条件は満たしております。」



すると内ポケットから封筒をとり、封筒の中からライセンスを取りムカイに差し出す



ムカイは立ち上がり、男の前に行きライセンスを受け取る。



「ではこれでSランクライセンス授与式を終わります」



ムカイはライセンスをしまい、部屋を出ようと思ったが、振り返り質問する。



ムカイ「あなた名前は?」


「ゲイツと申します。」



丁寧な言葉使いで、年は二十代後半に見える。



ムカイ「1年前の斑鳩隠滅作戦は知ってますか?」


ゲイツ「申し訳ございません、私は1ヶ月前に協会に入りましたので分かりません」



ムカイ「…そうですか、では失礼します。」



ムカイが会場から出て、扉が閉まると同時に袖から女がゲイツに向かって歩いてくる



「多分バレてたと思うのですが……代表」



「やっぱりバレてたかのぅ」



それまで二十代後半だった姿が老人に変わっていた。


「まぁ中身まではバレとらんじゃろ」



「すぐに本部へお戻り下さい」



「急に付き合わせてすまなかったのぅ、しかし報告どうりただ者じゃないのは解った。」



「監視しますか?」



「無駄じゃろ、監視員を付けてもあの実力があればすぐにバレるじゃろ」



秘書らしき女性と代表と思われる老人も会場を後にする。



「しかし無視する訳にはいかんじゃろう、斑鳩隠滅作戦を知ってるとは…注意せねばならんのう」



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