Past†Origin(14)

有間 総二 2012-04-01投稿
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「どう?ワシの身代わりの術」

じーさんがウインクしながら言ってくる


正直気持ち悪い

略してキモい

「キモっ!?………で、戸惑いか?憤りか?」

「もちろん……どっちもだ!」


また懐に潜り込み、拳を突き出す

手応えを感じる


よし、今度こそ

「当てるために早さを意識したのは良かったが、意識しすぎて肝心の力が弱まっとるぞい」

「なっ!?」

じーさんは平然と立っていた


「14点じゃ」

声と同時に向かって右からの回し蹴り

早いが避けれる

しゃがんで避けた瞬間に頭頂部に鈍い衝撃


「っは……!」

痛みこそ感じないが、強い衝撃に眩暈がし、ふらつく

それを待っていたと言うように、今度は左腕に鋭い痛み

「つぅ……」

相手を確認するより先に攻撃が当たる


そして俺は呆気なく、じーさんに倒された



[とある下水道]

ヤツの声が響く

「分かっているな?」

俺は応える

「あぁ、全てを死へ導くのが俺が生きる唯一の理由」

腹が立つのだが、こう答えなければならない

ヤツには逆らえない


いつもと同じように、こう答えればヤツもいつもと同じ言葉を返す

「そして貴様の唯一の価値だ」

そう、この言葉だ


「………用事はそれだけか?」

「いや、実は気になることがあってな」

まさか、あの事がバレたか?

「予告状なる物を送り付けたそうだな?」

「……あぁ」


バレてた

「何故だ?」

「あのAbilitySchoolには兄弟がいるからってだけで、使命を果たすのに支障はないから安心してくれ」

するとヤツは訝しそうに告げる


「………貴様に兄弟がいたとは知らなかったが、そう言うなら信用しておこう」

それには何も言わず、ただボソリと独り言を呟く

「義兄弟……だけどな」

「何か言ったか?」

「いや、何も」


それなら通信を終了する、とヤツは電話をきる

臭いので地上に戻ると、知らぬ間に一降りしたらしく、雨の匂いがした

「この匂いは……好きだ」


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