「オッス!純。元気にしてた?」
「……………僕の上にまだ乗っているつもりか、<倉餅>」
僕が注意すると、倉餅はヘラヘラと笑いながら僕の上から遠退き、近くでぼーっとしている蒼子の背中に再びしがみついた。
「だってぇ、珍しく純を見つけたと思ったらこんな美人さんとイチャイチャしてるんだもん〜」
倉餅はニヤニヤしながら、蒼子の顔を舐める様に見ていた。
確かに、蒼子はクラスの中でも飛び抜けて顔は整っている方だ。
「あの……私、何が何だか。それに、純君とイチャイチャなんて………」
蒼子は明らかに、困っていた。
ま、僕の説明不足のせいでもあるんだけど…。
「あ…えっと…こいつ倉餅花梨。僕の小学校からの幼馴染み」
「倉餅花梨でっす☆あなたのシャーペンの芯を食べる噂は聞いてるよ」
「…………純君の……。初めまして、蒼子といいます」
「初めまして、貴方もしかして…好きなの?」
倉餅は蒼子の背中にしがみついたまま、囁く様に質問する。
「………えっ?……何を……です…か?」
蒼子は質問の内容がいまいち理解出来なかったらしい。
「だーかーらー。貴方、『純の事』好きなの?」