悪魔の天使 (58)

暁 沙那 2012-04-05投稿
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バレてはいけない。
バレてはいけない。
バレてはいけない。
バレテハいけない。
バレテハいけない。
バレテハいけない。
バレテハイケナイ。
バレテハイケナイ。
バレテハイケナイ。





――バレタラキラワレル!!





『ドミニエ、この事をディルのお婆様が知ってしまわれたらしいの。殺してきてくれるかしら?』

彼に知られないために何でもする覚悟はあった。

だから……。

『ドミニエ、次はディルのお姉様とお兄様よ。』

殺させた。

『レベントの町の人に知られていたみたい。』

たくさんたくさん殺させた。

『もういいわ。アイロウド家はディル以外殺して!スロイストも私以外、皆殺しよ!!』





――なのに……。





『化け物退治を国がするらしい。俺も行く。すぐ戻ってくるよ。ルカのご家族の敵をとるから、待ってて。』
『…うん……。』

哀しげに微笑んだ。

悲しくない訳がない。
ドミニエを棄てなければいけないのだから……。

それにディルとも離れなければならない。
他の女ができたら私はどうすれば良いのだろう。
そう思ったけど付いて行くことなど私には出来ず。

黙ってディルを見送った。





それから半年たった。

『ただいま、ルカ。』

言葉に詰まった。

『お帰りなさい、ディル…とその…人は……?』

ディルの隣にいるのは鳶色のショートヘアに深い緑の瞳の綺麗な女性。
服装は騎士のような防具の付いたものなのに

嫉妬した。

『私はディエル様をお守りする役目を頂きました、シャローズ・ロベリアです。』
『えと…シャローズ…さん……?』

動揺が治まらない。

『お守りする、なんて大袈裟な。ペアじゃない。』

ペア。
そう言ってディルはシャローズとかいう女に微笑む。

前は私に見せてくれていた、私だけのディルの笑み。
それが今ではあの女も知っている。

憎い。





憎イ憎イ憎イ憎イ憎イ憎イ!!





『ドミニエ、ディルの隣にいたあの女、ぐちゃぐちゃにして?』

棄てられなかった。

寂しかったから。

そのドミニエをもう一度使う。

『愛してるわ、ドミニエ。ディルの次にね。』

笑った。

でも、心は笑ってなんかいなかった。

憎悪でいっぱいで。

多分、その時、目は笑っていなかった。





私があの儀式をしようとするまで

――あと10日。

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