バレてはいけない。
バレてはいけない。
バレてはいけない。
バレテハいけない。
バレテハいけない。
バレテハいけない。
バレテハイケナイ。
バレテハイケナイ。
バレテハイケナイ。
――バレタラキラワレル!!
『ドミニエ、この事をディルのお婆様が知ってしまわれたらしいの。殺してきてくれるかしら?』
彼に知られないために何でもする覚悟はあった。
だから……。
『ドミニエ、次はディルのお姉様とお兄様よ。』
殺させた。
『レベントの町の人に知られていたみたい。』
たくさんたくさん殺させた。
『もういいわ。アイロウド家はディル以外殺して!スロイストも私以外、皆殺しよ!!』
――なのに……。
『化け物退治を国がするらしい。俺も行く。すぐ戻ってくるよ。ルカのご家族の敵をとるから、待ってて。』
『…うん……。』
哀しげに微笑んだ。
悲しくない訳がない。
ドミニエを棄てなければいけないのだから……。
それにディルとも離れなければならない。
他の女ができたら私はどうすれば良いのだろう。
そう思ったけど付いて行くことなど私には出来ず。
黙ってディルを見送った。
それから半年たった。
『ただいま、ルカ。』
言葉に詰まった。
『お帰りなさい、ディル…とその…人は……?』
ディルの隣にいるのは鳶色のショートヘアに深い緑の瞳の綺麗な女性。
服装は騎士のような防具の付いたものなのに
嫉妬した。
『私はディエル様をお守りする役目を頂きました、シャローズ・ロベリアです。』
『えと…シャローズ…さん……?』
動揺が治まらない。
『お守りする、なんて大袈裟な。ペアじゃない。』
ペア。
そう言ってディルはシャローズとかいう女に微笑む。
前は私に見せてくれていた、私だけのディルの笑み。
それが今ではあの女も知っている。
憎い。
憎イ憎イ憎イ憎イ憎イ憎イ!!
『ドミニエ、ディルの隣にいたあの女、ぐちゃぐちゃにして?』
棄てられなかった。
寂しかったから。
そのドミニエをもう一度使う。
『愛してるわ、ドミニエ。ディルの次にね。』
笑った。
でも、心は笑ってなんかいなかった。
憎悪でいっぱいで。
多分、その時、目は笑っていなかった。
私があの儀式をしようとするまで
――あと10日。