「私は好きだよ。」
と、思い余って言ってしまった。電話口で。それも大真面目に。あなたも「うれしい」って言ってくれたけど、それもきっとあなたの「大人の対応」の一つなんでしょうね。世間一般で言う「社交辞令」っていうやつ。そんなふうに言われたら、先が続かないじゃない。まるで子供が「大人になったらパパと結婚するの」とでも言っているみたい。まるっきり相手にされてない。
あなたの日常を見てみたい。
あなたの過去の恋愛が知りたい。
あなたが女を口説く台詞を聞きたい。
これは恋でいいんでしょ?私に愛と情の区別をつけてくれたあなただから、この気持ちがなんなのか「あなたの方」がわかっているはず。でもね、あなたに言ってしまえばうっとおしいと思われる。それは嫌。
あなたの邪魔にならないように、あなたの怒りに触れないように、あなたの気持ちを覗かないようにします。
だから、あなたを忘れられるその日まで、どうかもうしばらくは、私のことを心配してください。