僕と同じ髪の色

快雅  2006-09-17投稿
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 僕は最近夢をよく見るようになった。その夢の中の僕はとっても幸せで、リクと一緒に手をつないで話をしながら歩いていて、日本でもイタリアでもないおっきな花畑にいたんだ。そう、それはまるで・・・・・・

「・・・殺人人形なんて、嘘みたいに・・・」
 純弥の風邪は次の日にはだいぶ良くなっていた。
 だから純弥は父親の言ったように『青葉』と呼ばれる団体を潰しに行こうとしている。青葉は日本の暴力団と小さなマフィアが同盟を結んだ団体で、そう有名なところではなかった。
 しかし、ここ最近ファミリーのボスが替わり名前を『アオバ・カイラ』というハーフらしい。カイラはボスの座が手にはいると、今までのボスとは違う圧倒的な力で、着々と戦力を付けていってるらしい。
 純弥は麗久には言わずに家を出た。帰るのはきっとそんなに遅くないだろう。
(僕が出かけても、気にしないよね・・・?)
 そう思っての決断だ。まぁ、イタリアにいたころは決断も何もなかったが・・・
「人は・・・変わるもんだね」
 前は、独り言はおろか、人と話すこともろくにしなかった純弥がここ、日本に来てからはよく、話すようになった。
 そう考えていたとき、朝の冷たい風が吹いてきた。
「っ・・・・」
 純弥は思わず左腕を強く握った。
(・・・あの時、父さんの言ったこと守れば良かったな・・・)
 何年か前、父親の依頼を無視したら、左腕を深く切られた。なぜか、出血はそう酷くなかったのを覚えている。しかし、その傷の治りは遅く、(傷跡は残ったが)完治した今でも時々酷く痛むのだ。しかし、日本に来てからはこれが始めてで、この痛みで現実に引き戻された。


      集 中 シ ロ 敵 ヲ 抹 殺 ス ル マ デ ハ

        僕 ハ 殺 人 人 形 ナ ン ダ カ ラ

   惑 ワ サ レ ル ナ 束 ノ 間 ノ 幸 セ ナ ン カ ニ



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