俺はもう3時間も誰もいない山を歩いている。なぜなら俺は連続殺人事件を12件も侵してしまい逃亡中なのだ。
TVで全国放送されていて顔も名前も知らない人はいないと言う程だ。
ふと前から声が聞こえてくる。前をみると同じ年くらいの綺麗な女の人が走ってくる。
『遭難しちゃったんです。助けてください。』
その人は俺の顔を見て犯罪者だとわかったみたいで一瞬ビックリした顔をしたがすぐに平然とした顔に戻り
『よかった!!!人がきてくれて!!!ずっと心細かったんです。』
『お前俺が怖くないのか!?逃げないでいてくれるのか???』
その人は黙ってうなずいた。
俺は生まれて初めて泣いていた。
『どっ..どうしたんですか???』
.............
俺も道がわからないことを話し、女の人が近くに無人の山小屋があるというので一緒に暮らすことになった。
飯は二人ともいっぱい持ってたし畑もあって栽培できるので心配なかった。
そんなこんなで一ヵ月たった。暮らしは大変だったがとても幸せだった。俺はいつのまにかその人がすきになっていた。
俺は今、吊り橋を渡っている。あいつに告白するための花を探しにまだ行ったことのない地へ一人で来た帰りだ。
吊り橋の真ん中まで来た時、吊り橋がきれてしまった。
痛みと共に目を冷ますと、空は遠く狭くなっていた。両足を骨折し、血がだらだらでていた。
一日がたった。俺は叫んだ。『お前を泣かすものか。俺の元気な声が聞こえるか。全然平気だぞ。』
叫んでるうちに涙がほおをつたっていた。
2日がたった。出血多量でもう元気な声はなかったが俺は不思議と寂しくなかった。
薄れゆく景色の中で俺は思った『もし産まれかわれるならお前とまたあえれば愛してもらえるかな....』
季節は巡り春が訪れ谷底には一本の花が咲いていた。