｢ゴハッ｣
鈍い音と共に、男が咳き込んだ。
｢おーい、吐いたほうが身のためじゃなーい？｣
その男の前に、16くらいの少年がしゃがむ。
｢ほら、黒幕の名前を言ってごらん？｣
少年は優しく微笑むが、そこには恐いモノが潜んでいた。
そして、不意に声を落とし、呟く。
｢ほら、おれは短気なんだ。｣
｢わ、わかった！ユ…ユーンだ！リーベン・ユーン！ユーン密輸会社の…｣
バコッ
男は何も言わず、倒れた。
｢みやさーん、吐きましたー。｣
少年はクルッと振り返り、どこかに叫んだ。
すると、どこからともなく３人の男が出てくる。
｢よくやった。｣
真ん中にいるのがみやさんとよんだ、ミヤージ・ユーランだった。
｢で、誰だって？｣
これはスイル・ウィーン。にこやかに笑っている。
｢やっぱリーベン・ユーンだった。今頃あっちも片付いているだろう。｣
少年はホコリを払いながら立ち上がる。
｢よし、帰るぞ。｣
一番最初に身を翻したのは、ズーン・スリーア。がたいがいい。
｢俺、あっち行きたかったなあ。そんな人殴るの好きじゃない。｣
少年は一緒に歩きながら呟き、パシッとミヤージに叩かれた。
｢その割にはすっごい不敵な笑みだったがな、?ナギト?｣
｢ハハッ、バレた？｣
そして、この少年が…鐵特殊部隊最年少隊員であり、１､２を争うほどの身体能力、頭脳を兼ね揃えた、?薙都・レイスト?だった。
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