結奈が見舞いに来てから数日後、龍雅は病室で寝ていた。点滴は外され顔色もよくなり、体力も回復しつつあった。
ここ数日、龍雅は沈黙を守っていた。何十冊もの本を読み、新聞を一日中読みあさった。退院を明日に控えたある日の事…。
コンコン!
ノックが鳴った後、ドアを開けて私服の結奈が入ってきた。
結奈「…お…おはよう。元気になった?」
龍雅はドアの方に目を向けることもなく新聞を読んでいた。横の棚には本が積み上げられていた。
龍雅「…。」
後から綾香が入ってきた。
綾香「ここ?結奈がホの字の男がいるってのは?」
結奈は顔を赤らめ、後ろを振り返った。
結奈「何言ってんの!!あんたが見たいって言うから連れて来たのに!」
龍雅は新聞を片付けた。その時綾香と目が合った。龍雅は目を丸くした。
龍雅「お前は…あの時の民間人か!…生きてたのか………良かった……。」
綾香も龍雅の声を聞いて思い出したようだ。
綾香「あ!!あの時ストライカー乗ってた人?え?超感動的じゃない?命の恩人じゃん!!」
その一方で結奈にこう耳打ちした。
綾香(てゆうかマジかっこいい!!結奈じゃなくても目付けるよ!普通!)
綾香は笑顔全開で龍雅の近くに行った。
綾香「龍雅くんって言うんだ。あたしは大庭綾香!下の名前で読んでくれていいし!てゆうかこの病院に運ばれて来るって事は家もここから近所なんだぁ!年はいくつ?」
龍雅は呆気に取られながら答えた。
龍雅「17だ…」
綾香「あたしらと一緒なんだぁ!でもすごい筋肉質なんだね!おないの男でもこんなのいないよ!」
結奈は後ろで見てて龍雅の回復ぶりに驚いてた。この前はやつれて力も弱かった男がまるで別人のようになっていたからだ。
龍雅は綾香のペースにはめられてはいたがやはり笑顔が出る事はなかった。
その頃、龍雅の入院している病院からやや離れた山間部では…。
軍のストライカー4機が天然資源を喰い荒らすグルドの殲滅に当たっていた。
上官「こっちの殲滅は完了した!各機報告せよ!」
部下A「B地区は完了しました!」
部下B「C地区、殲滅完了です!」
部下C「D地区あと一体で完了します!!…!!?大変です!新手の一回り大きい奴が現れ……ぐわぁ!!!」
上官「おい!!どうした!?返事をしろ!!おい!!……!?なんだこいつは!?」
新たな戦いが始まるのである。…続く。