―暑い夏休み、1週間目。
零亜は、ベットの上でボーッとしていた。
(宿題を終わらせてしまった…外は暑い…家には誰も居ない……ダルッ!体動かすかぁ…。)
零亜はもんもんと考え、ムクッと起き上がった。
まず、クローゼットを開ける。
肩出しの白いTシャツの下に、黒いランニング。ショーパンを履き、日焼け止めを塗る。
鏡を覗くと、明るい茶色の髪に、深い藍色の目を持つ少女が映った。
その髪を後ろで2つに分け、髪全体を編み込んでいく。ちょうど両方がぶつかった真ん中で、お団子にする。これで、髪は軽くなる。
くるぶしの靴下を履き、赤黒スニーカーを用意する。
リュックも赤黒のチェックで、中にいろいろ詰めてから背負う。
最後に、部屋の隅に立て掛けてあった長い棒(赤、黒、白の三色のバトン的なもの。)を軽く回してから持ち、家を出た。
アパートの階段を棒を回しながら降り、目を細める。
太陽が輝いて…いるだけではなかった。
何か木製の丸いドアみたいな物が、マンホールのように地面にあって、しかも開けられていて、そこから白い光が漏れていた。
「…?」
零亜は不思議に思い、近づいた。
すると、零亜の周りを、青い光が囲んでゆく。
何かの文字が書かれた陣が出来上がった。
「…!?」
風が吹いてくる。
次の瞬間、零亜はその中に飲み込まれていた。