ずるやすみ

プリン頭  2006-09-18投稿
閲覧数[352] 良い投票[0] 悪い投票[0]

雨が降りそうだったが、傘は持って行かなかった。
傘を持つことすら面倒だ。
少々濡れたって構わない。化粧が崩れたって。

今日は構わない。


いつも通りに無言で家を出た。

いってきますってなんだか照れる。

高二にもなってね。

ただいまは言えるんだけど。

そう高二にもなってまた学校をさぼっている。
一時間に一本しかないバスにわざと乗り遅れる。
ゆっくりゆっくり歩いていく。

そうしてバスをやり過ごした後、案の定、私は雨に打たれている。

何度目だろう。

あと10分はこうして待たなければ。
家の者がいなくなるまで、ぼーっと外で待つしかない。
屋根もない場所で。

ばかばかしい時間だ。

くだらない奴だ。

でも、こんな日が必要なのだ。
繰り返しの毎日に負けて、ヒトと話すことさえ面倒になったときに。

ひとは弱いと言うだろうか。
実際、毎日登校してくる人には頭が上がらない。またサボリか、と言われて返す言葉もない。けどまあ、それでいい。
こうやってさぼることで実際にバランスが取れているじゃないか。次の日にはいつもよりずっと元気な姿を見せるでしょ。

パラパラと落ちていく雨に、そう言い聞かせた。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 プリン頭 」さんの小説

もっと見る

ノンジャンルの新着小説

もっと見る

[PR]
アプリDLで稼ぐ!
“Point Income”


▲ページトップ